ヘルメット治療が本当に必要なお子さんとは?|脳神経外科専門医が解説
近年、「赤ちゃんの頭の形」が気になり、ヘルメット治療を検討されるご家庭が増えています。
しかし、すべてのお子さんにヘルメット治療が必要なわけではありません。
まず大切なのは、“治療が必要な変形かどうかを正しく見極めること”です。
まず除外すべき「病気」
赤ちゃんの頭の形の変形には、大きく分けて2つあります。
1. 位置的頭蓋変形(向きぐせなどによる変形)
2. 頭蓋縫合早期癒合症(病的に骨が早く癒合する疾患)
特に2.の頭蓋縫合早期癒合症は、外科的治療が必要になることがある重要な疾患です。
そのため、ヘルメット治療を考える前に
• 縫合が正常かどうか
• 頭囲発育に問題がないか
• 神経学的異常がないか
をきちんと評価することが重要です。
ヘルメット治療のエビデンスはどうなっている?
2016年に米国脳神経外科学会(CNS)が、
位置的頭蓋変形に対するヘルメット治療についての
エビデンスに基づくガイドラインを発表しました。
このガイドラインでは、
• 中等度〜重度の変形
• 保存療法(向きぐせ改善・理学療法)で改善が乏しい場合
• 比較的高月齢で受診した場合
において、ヘルメット治療を推奨しています(推奨度Level II)。
一方で、
• 軽度例に対する routine な装具療法
• すべての症例への一律適応
は推奨されていません。
また、無作為化比較試験では「保存療法と明確な差が出なかった」という報告もあり、
ヘルメット治療は“誰にでも有効”という治療ではないことも示されています。
では、どんなお子さんが対象になるのか?

研究から示唆されているのは、
• 初診時に変形が重度である
• 生後4〜6か月頃に開始できる
• 保存療法で改善が乏しい
このような場合には、より改善が期待できる可能性があるということです。
逆に、
• 軽度の変形
• 月齢が進みすぎている
• 経過で自然改善が見込める
場合は、必ずしも装具療法が必要とは限りません。
ともるクリニックで大切にしていること
当院では、まず
1. 頭蓋縫合早期癒合症の除外
2. 頭囲発育の評価
3. 変形の定量的評価
4. 保存療法での改善可能性の検討
を行います。
そのうえで、
「本当に必要なお子さんにのみ」ヘルメット治療をご提案しています。
装具を作ることが目的ではなく、お子さんにとって最適な選択を一緒に考えることが目的です。
大阪市で頭の形の相談をご検討中の方へ
「ヘルメットを勧められたけれど迷っている」
「本当に必要かどうか専門医の意見を聞きたい」
そのようなご相談もお受けしています。
ともるクリニックでは、脳神経外科専門医が診察し、
義肢装具士さんと連携のうえ適切な装具作製を行っています。
赤ちゃんの頭の形でお悩みの方は、一度ご相談ください。